大阪で生まれ、京都の故・加藤和彦さんと交流を持ち、神戸のアマチュア・サークルで音楽活動を始めた谷村新司さんにとって、関西におけるフォークの創世記は、「関西フォーク」という言葉で一括りにできるものではなかった。そこには、それぞれの街の風土に根ざした独自の音楽性があった。さらには故・細川健さん(アリスが所属したヤングジャパングループ創立者)との出会いをきっかけにして、谷村さんはデビュー前から一気に世界へと向かうことになる。関西発、カナダ、アメリカ、メキシコ。破天荒であり、粋なエピソードもあるフォーク創世記の物語。